食品のアレルギー表示の対象28品目と表記の見方

食品にアレルギーがある方は、毎日の食品選びにも注意が必要ですよね。

食物アレルギーを持つ方が安心して食品を選べるように、特定の食品にはアレルギー表示が義務付けられています。中には大人になってから突然アレルギーを発症し、困っているという方もいらっしゃると思いますが、食品のアレルギー表示には、どういった表示があるのでしょうか?

この記事では、食品のアレルギー表示について、表示の対象となる品目と表記の見方について解説します。

(本記事は2023年4月に執筆されました)

 

食物アレルギーとは

人間はなにかを食べなければ、生きていくことはできません。しかし食物アレルギーのある方は、なにを食べるか?にも注意する必要があります。食物アレルギーは、食品の中に含まれている物質をカラダが異物だと認識してしまい、免疫が過剰に反応してしまっている状態となり、発症します。

食物アレルギーの症状で多いのは、かゆみやじんましん、唇やまぶたの腫れなどの皮膚症状で、90%程度の方にあらわれます。また、くしゃみや咳、息苦しさなどの呼吸器症状も30%の方であらわれると言われています。

さらには、軽い症状だけでなく、複数の臓器に症状があらわれ、血圧低下や意識障害などが急激に進行する症状をアナフィラキシーショックと呼び、生命の危険にも及ぶことがあります。

 

食品のアレルギー表示について

アレルギー表示は、食品に含まれるアレルギー物質を消費者に知らせるためのものです。食物アレルギーを持つ方にとっては、アレルギーの原因物質が入っているかどうかがわからなければ、毎日の食事を安心して食べることができませんよね。

このために、食物アレルギーを持つ消費者の健康危害発生を防止する観点で、アレルギー表示が食品表示法で義務化されています。

 

アレルギー表示の対象範囲

食物アレルギーの表示制度は、食品表示法に基づく食品表示基準と通知で規定されています。食品表示基準ではアレルギー表示の対象は「容器包装された加工食品及び添加物」とされています。

つまり、アレルギーの原因になる可能性がある特定原材料が含まれた販売用の食品や試供品のうち、箱やペットボトル、缶、袋など容器包装された加工食品及び添加物には表示の義務があります。

ただし、以下資料に記載があるように、揚げたてコロッケの店頭販売など、食品を製造加工した場所で消費者に直接販売する際は対象外とされています。

※以下、食品表示基準Q&Aについて(平成27年3月30日消食表第140号) 別添別添 アレルゲンを含む食品に関する表示 C.表示対象外・免除より抜粋

仕入れ時に容器包装に特定原材料等Aを含む旨の表示がされた原材料Bを使って加工食品Cを製造する場合は、加工食品Cにも特定原材料等Aを含む旨についてアレルギー表示を行います。

ただし、上記の場合、商品の輸送、運搬のために、原材料Bの製造者が卸、小売業者を通じてそのまま加工食品Cの製造・販売業者に商品ごと販売するものには表示が必要ですが、その外装容器を卸、小売業者がその都度持ち帰りする場合(通い箱等)は容器包装の定義に当てはまらないためアレルギー表示の対象外となっています。同様に、食品を製造し、又は加工した場所で容器包装に入れないで消費者に直接販売する場合は表示をする必要はありません。したがって、店頭量り売りの加工食品については、持ち帰りの便宜のために、販売の都度、箱に入れたり包んだりする場合及び混雑時を見込んで当日販売数に限って包装してある場合は、単なる運搬容器とみなされ、表示の対象外とみなしています。また、小売業者及び販売業者が購入者の要望によって便宜上、仮箱若しくは箱に詰めたもの又は包んだものも同様に表示の対象外とみなしています。

 

アレルギー表示対象の28品目

食物アレルギーの表示制度は、食品表示法に基づく食品表示基準と通知で規定されています。

アレルギー表示の対象には28品目ありますが、そのなかで表示の義務があるのは、食品表示基準で定められている8品目のみです。そのほかの20品目は、通知によって表示が推奨されているアレルゲン(特定原材料に準じるもの)であり、表示義務はありません。

ここで使われているアレルゲンという名称は、アレルギーの原因となる抗原物質のことを指します。

 

特定原材料8品目(義務表示)

食品表示基準で表示の義務があると定められている「特定原材料」は、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の8品目です。これらの食品は、アレルギーの発症数や、重篤な症状にいたることが多く、表示が義務化されています。

それぞれの食品には範囲があり、定められています。例えば、えびには、しゃこ類・あみ類・おきあみ類等は含まれません。小麦は、すべての小麦を含む食品が含まれますが、大麦、ライ麦等は対象外ですので、表示はされません。また、卵は鶏の卵のことで、は虫類や両生類の卵は含まれません。

また乳は、牛のみでヤギなど他の動物の乳は含まれず、乳、乳製品など個々に規定される品目と、それ以外の乳又は乳製品を主要原料とする食品に分類されています。

くるみに関しては、2023年3月9日より表示の義務がある特定原材料の品目に追加されました。

 

特定原材料に準ずるもの20品目(推奨表示)

特定原材料に準ずるものとして、通知で表示を推奨されている品目は、現在アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの20品目とされています。

これらの物質は表示を「推奨」されているだけなので、表示がなくても違反ではありません。表示にないからと言って、入っていないことは保証されませんので注意が必要です。

もし、アレルゲンの含有が心配であれば、製造・販売会社への問い合わせが必要になります。なお、ショクタスでは特定原材料に準ずるものを含む28品目+魚介類を対象にアレルギー表示をしています。

また、以前推奨表示であったくるみに関しては、前述のとおり2023年3月9日より表示が義務化されました。

 

アレルギー表示の表記方法

食品のアレルギー表示には、それぞれの原材料や添加物の直後に括弧をつけて特定原材料等を含む旨を表示する個別表示と、全ての原材料を表示した後に表示する一括表示があります。

それぞれの表記方法について確認しましょう。

 

個別表示

個別表示は、それぞれの原材料や添加物の直後に括弧をつけて特定原材料等を含む旨を表示する方法です。例えば、原材料の物質名の直後に括弧を付して『原材料名(○○由来)』などと表示します。

(例)『グルテン(小麦由来)』『カゼインNa(乳由来)』

もし、ひとつの食品について複数の特定原材料がある場合は、ナカグロ「・」でつなぎ、表示します。また、繰り返しになる特定原材料については、省略が可能です。

 

一括表示

一括表示は、食品の原材料表示面積に限りがある場合や、複数の製品が容器内で接触する可能性がある場合などに、例外的に可能となる方法です。原材料名欄の最後に「(一部に●●・■■・△△を含む)」と表示します。

例えば、個別表示で「小麦粉(小麦を含む)、卵黄(卵を含む)、牛乳(乳成分を含む)、砂糖、バター(乳成分を含む)」を一括表示にすると「小麦粉、卵黄、牛乳、砂糖、バター、(一部に小麦・卵・乳成分を含む)」となります。

 

コンタミネーションについて

コンタミネーションとは、食品の製造や収穫のときに、原材料として使用していないにもかかわらず、意図せずアレルギー物質が混入してしまうことを指します。略して「コンタミ」と表現されることも多くあります。コンタミネーションが微量であっても、食物アレルギーを持つ方の程度によっては重篤な症状を引き起こすリスクがあり、注意が必要です。

現在のアレルギー表示制度では、原材料として使用すれば表示義務がありますが、コンタミネーションについては表示義務がありません。任意表示である注意喚起表示にて対応されています。また、患者の食品選択可能性を不当に狭めるおそれがあるので、「本品には、そばが入っている可能性があります」などのような、可能性表示は禁止されています。

(例)本品製造工場ではそばを含む製品を生産しています

 

アレルギー表示を正しく理解して商品を選ぼう!

食物アレルギーと食品のアレルギー表示について、解説しました。アレルギー表示の対象には28品目ありますが、義務となっているのは8品目のみで、コンタミネーションについても表示義務がありません。

テーブルマークの食品のアレルギー表示は、表示義務のある8品目と表示が推奨されている20品目をあわせた28品目に加え、魚介類を対象とし、原材料の末尾に一括表示をしています。

原材料表示に加え、製造工程中や原料魚の捕食・採取方法、原料小麦の輸送設備などでのコンタミリスクについても検証をおこなって、アレルゲンの混入の恐れがある商品については、「本品製造工場では●●を含む製品を生産しています。」等と記載し、注意喚起をおこなっています。

 

出典

アレルギー疾患対策基本法の施行について(施行通知)平成27年12 月2日

令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書